「夕方になると目の奥が重くて、画面の文字がにじむ」「目だけでなく、首や肩までこわばってくる」——そんなときに、選択肢のひとつとして鍼灸(しんきゅう)が気になった方もいるのではないでしょうか。ただ実際には、「鍼は痛くないの?」「衛生面は大丈夫?」「保険は使えるの?」といった疑問が先に立ち、なかなか予約ボタンを押せないという声もよく聞かれます。本記事では、眼精疲労で鍼灸を受けるときに実際にどんな施術が行われるのかを軸に、資格制度・費用の考え方・当日の流れ・起こりうるリスクまで、公的機関や学会の資料をもとに整理しました。
- はり師・きゅう師は国家資格:「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」にもとづく免許で、厚生労働大臣が指定する試験機関の国家試験に合格し免許を受けた人だけが業として行える
- 施術部位は目のまわりだけではない:首・肩・後頭部や、手足のツボを組み合わせて全身から組み立てることが多く、「目に鍼を刺す」わけではない
- 衛生管理は「使い捨て鍼」が前提:全日本鍼灸学会のガイドラインでは、滅菌済みの単回使用鍼(ディスポーザブル鍼)を使うことが推奨されている
- 眼精疲労で健康保険が使えるとは限らない:はり・きゅうの療養費は、医師の同意がある特定の疾病に限られており、実際には自費で受けるケースが多い
- 感じ方には個人差があり、リスクもゼロではない:内出血やだるさなどの副作用が起こりうる。急な視力低下や視野の欠けなどがあるときは、まず眼科の受診を優先する
眼精疲労で受ける鍼灸とは?まず押さえたい基礎知識


鍼灸は、金属の細い鍼(はり)を体表のツボ(経穴)に刺したり、もぐさを燃やす灸で温熱刺激を与えたりする施術です。眼精疲労を主訴として鍼灸院を訪れる人もいますが、その前提として「眼精疲労とはどんな状態を指すのか」「鍼灸を行う人はどんな資格を持っているのか」を整理しておくと、施術所を選ぶときの判断がしやすくなります。
眼精疲労は「休んでも回復しきらない」状態
日本眼科学会は眼精疲労を、視作業を続けることにより、眼痛・眼のかすみ・まぶしさ・充血などの目の症状や、頭痛・肩こり・吐き気などの全身症状が出現し、休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態と説明しています(出典:日本眼科学会「眼精疲労」)。一晩眠れば戻る「疲れ目」との違いは、まさにこの「回復しきらない」という点にあります。原因も、度の合わない眼鏡、老視の初期、緑内障・白内障・ドライアイなどの眼疾患、全身疾患や環境要因まで多岐にわたるとされています。疲れ目と眼精疲労の違いについては、別記事でくわしく整理しています。
つまり眼精疲労は「目そのものの問題」だけで説明できるとは限らず、姿勢や首肩の状態、作業環境、睡眠など複数の要素が重なっていることが少なくありません。鍼灸を選ぶ人の多くも、目の症状だけでなく首肩のこわばりや頭の重さを含めた全体の不調を相談先として選んでいるのが実情です。
はり師・きゅう師は「国家資格」——制度上の位置づけ
鍼灸を業として行うには、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(昭和22年法律第217号)にもとづく国家資格が必要です。文部科学大臣の認定を受けた学校、または厚生労働大臣の認定を受けた養成施設で必要な知識・技能を修めた人が国家試験の受験資格を得て、厚生労働大臣が指定する試験機関の実施する試験に合格し、免許を受けることではじめて「はり師」「きゅう師」を名乗って施術できます(出典:厚生労働省「はり師国家試験の施行」)。
試験科目には、医療概論・解剖学・生理学・病理学概論・衛生学・公衆衛生学・関係法規といった西洋医学系の基礎科目と、東洋医学概論・経絡経穴概論・はり理論などの東洋医学系科目の両方が含まれます。つまり、解剖や生理の基礎知識を学んだうえで施術に当たることが制度として求められている、という点が特徴です。なお同法では、はり師・きゅう師が外科手術や薬品の投与などを行うことは禁じられており、診断や治療は医師の役割という線引きも明確にされています。
整体・リラクゼーションとの制度上の違い
ここが、施術所を比べるときにいちばん誤解されやすいポイントです。整体やカイロプラクティック、リラクゼーションサロンには、鍼灸のような国の免許制度がありません。技術の優劣の話ではなく、「国家資格が必要かどうか」という制度の枠組みが根本的に違うということです。一方で、鍼灸も医療行為(診断・投薬・手術)ではないため、症状の原因を特定する検査や診断は行えません。整体・鍼灸・リラクゼーション・眼科をどう使い分けるかは別記事で比較しているので、迷っている方はそちらもあわせてご覧ください。
※本記事は鍼灸という施術の内容と制度を整理したもので、特定の症状が改善することを保証するものではありません。感じ方や体の反応には個人差があります。
鍼灸では「どこ」に施術するのか【目のまわりだけではない】


「目の疲れで鍼」と聞くと、目のまわりにびっしり鍼を刺す光景を想像して身構えてしまう方が多いのですが、実際の施術はそうとは限りません。目のまわりはあくまで一部で、首肩や手足のツボを組み合わせて全身から組み立てるのが一般的です。どんな部位が使われるのか、代表的な考え方を整理します。
①目のまわり(眼窩の縁まわり)
眉のあたりや目頭、こめかみ付近など、眼球そのものではなく骨のふち(眼窩の縁)に沿った部分が使われます。眼球に鍼を刺すことはありません。この部位は皮膚が薄く血管も多いため、あとで触れるように内出血(青あざ)が出やすい場所でもあります。目のまわりのツボの位置や、自分で押すときの注意点については別記事で解説しています。
②首・肩・後頭部
目を長時間使う姿勢は、頭を前に出した状態で固定されがちで、後頭部から首、肩甲骨まわりの筋肉が持続的に働き続けることになります。そのため鍼灸でも、後頭部の生え際あたりや首すじ、肩の上部、肩甲骨の内側といった範囲を含めて施術が組まれることが少なくありません。ただし後頸部は深部に重要な構造があるため、学会のガイドラインでも深い刺鍼や粗雑な手技を避けるよう明記されており、慎重な扱いが求められる部位です。目の疲れと首こりのつながりについては、関連記事でくわしく整理しています。
③手足の遠隔部にあるツボ
東洋医学の考え方では、体表をめぐる経絡というつながりを想定し、不調のある部位から離れた手や足のツボを使うことがあります。手の甲や前腕、すね、足の甲などに鍼をされて「なぜここに?」と驚く方も多いのですが、これは施術の組み立てとしてはごく一般的なものです。うつ伏せ・仰向けの姿勢を変えながら、全身のバランスを見て部位を選んでいきます。
④鍼だけでなく、灸や刺さない鍼を使うことも
施術所によっては、もぐさの温熱を使う灸、皮膚をなでたり押したりする刺さないタイプの鍼(鍉鍼・皮膚鍼)、シールで貼る円皮鍼、鍼に微弱な電気を流す低周波鍼通電療法などを組み合わせることもあります。「鍼が苦手」という人向けに、刺さない方法を用意している施術所もあるため、予約時に相談してみるとよいでしょう。なお鍼通電は、ペースメーカーなど植込み型医療機器を使用している方には行ってはならないとされています。
はじめての人が気になることを整理すると
「痛いのか」「衛生的なのか」「いくらかかるのか」——初めての方が引っかかりやすい6つのポイントを、一般的な考え方と確認のしかたに分けて整理しました。
| 気になること | 一般的にはどう考えられているか | 予約前・当日の確認ポイント |
|---|---|---|
| 痛みの程度 | 刺入時に「チクッ」と感じる瞬間や、重だるい響きを感じることがある。感じ方には大きな個人差がある | 痛みが苦手なことを最初に伝える。刺さない鍼で対応できるか聞く |
| 使う鍼の細さ | 日本産業規格(JIS T9301)がある単回使用毫鍼が使われる。鍼通電では折鍼防止の観点から線径0.20mm以上が推奨されている | 細い鍼を希望できるか、鍼の種類を説明してもらえるか |
| 衛生管理 | 学会ガイドラインでは滅菌済みの単回使用鍼(使い捨て)の使用が推奨。鍼管や鍼皿も使い捨てが推奨されている | 使い捨て鍼か、目の前で開封するか、手指衛生をしているか |
| 1回の所要時間 | 問診・着替え・施術を含めて30〜60分程度を目安に案内している施術所が多く見られる | 初回は問診が長くなりやすいので時間に余裕をもって予約する |
| 通う頻度 | 一律の正解はなく、体の状態や目的、生活スケジュールによって異なる。施術者と相談して決めるのが基本 | 回数を一方的に決めつけられないか、通えない期間の相談ができるか |
| 費用の考え方 | 健康保険の対象になる条件は限られるため、多くは自費。料金は施術所ごとに設定が異なる | 初回料金と2回目以降、回数券の有効期限・解約条件を事前に確認する |
※上表は一般的な考え方を整理したもので、施術所ごとの方針・料金・所要時間を保証するものではありません。実際の内容は各施術所にご確認ください。
初めて鍼灸を受ける前の準備と、当日の流れ


初めての鍼灸で不安が大きくなるのは、「何が起きるか分からない」ことが理由の大半です。事前に流れを知っておくだけで、当日の緊張はかなり和らぎます。準備から施術後までを3つのステップで整理しました。
ホームページや店頭で「はり師・きゅう師」の資格表記があるかをまず確認します。あわせて、使い捨て鍼を使用しているか、初回の総額と2回目以降の料金がはっきり示されているかもチェックしましょう。持病・服薬・妊娠の有無など、事前に伝えるべきことがある場合は、予約の段階で相談しておくと当日スムーズです。
当日は問診票の記入から始まり、体の状態を確認したうえで施術に入るのが一般的です。着替えを用意している施術所も多いので、締めつけの強い服は避けると安心です。空腹すぎる・満腹すぎるタイミングや、飲酒後は避けましょう。血が止まりにくい薬を飲んでいる、注射で気分が悪くなったことがある、妊娠の可能性があるといった情報は、遠慮せず必ず申告してください。施術中に痛みや気分の悪さを感じたら、その場ですぐ伝えて構いません。
施術直後はだるさや眠気が出ることがあります。当日の激しい運動や長風呂、深酒は避け、水分をとってゆっくり過ごすのが無難です。その日の体の変化と、翌日以降の目や首肩の状態を簡単にメモしておくと、次回の相談材料になり、続けるかどうかの判断もしやすくなります。感じ方には個人差があるため、「1回で結論を出さない」姿勢も大切です。
受ける前に知っておきたい注意点と、受診の目安
健康保険(療養費)が使えるのは限られた場合
「鍼灸は保険が効く」という説明を見かけることがありますが、これは条件付きの話です。はり・きゅうの施術は、一定の要件を満たす場合に「療養費」として健康保険の対象になります。全国健康保険協会(協会けんぽ)によれば、対象となる主な疾病は神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頚椎捻挫後遺症の6疾病と、これらと同一範疇と認められる慢性的な疼痛に限られます。しかも、医師による適当な治療手段がなく、はり・きゅうの施術を受けることを認める医師の同意があることが要件で、同一の疾病について医療機関で診療を受けながら施術を受ける場合は対象外とされています(出典:全国健康保険協会「はり・きゅう等のかかり方」)。
つまり、「眼精疲労」という理由だけで健康保険が使えるとは限りません。初回の申請には医師の同意書の添付が必要で、継続して受ける場合も6ヵ月ごとに文書による同意が必要とされています。医師の同意がない施術は健康保険の対象になりません。実際には自費で受けることが多いと考えて、料金は事前に確認しておくのが安心です。同意書の取扱いについては、厚生労働省も保険医療機関向けに手続きの資料を公開しています。
起こりうる副作用・リスクを正直に知っておく
鍼灸は身体に鍼を刺す施術である以上、リスクがゼロではありません。全日本鍼灸学会の「鍼灸安全対策ガイドライン」では、鍼灸の副作用(一定頻度の発生が避けられない好ましくない生体反応)として、全身性のもの=強い疲労感・強い倦怠感・過度の眠気・気分不良など、局所性のもの=刺鍼時の痛み・微小出血・刺鍼部のかゆみ・施術後の刺鍼部痛などが挙げられています(出典:全日本鍼灸学会 安全性委員会)。施術後のだるさは俗に「瞑眩(めんげん)」と呼ばれることがありますが、必ず起こるものでも、良い反応と断定できるものでもありません。強く出た場合は施術所に連絡しましょう。
目のまわりや顔面は皮膚が薄く血管が多いため、内出血(青あざ)が出ることがあります。人前に出る予定がある時期は、その旨を事前に伝えておくとよいでしょう。また、頻度は高くないものの、同ガイドラインでは鍼に関連する有害事象として感染症、臓器損傷(気胸・血管損傷を含む)、神経損傷、皮膚疾患、折鍼などが分類されています。だからこそ、使い捨て鍼の使用と手指衛生の徹底、解剖学的な安全深度の理解が施術者に求められており、施術所を選ぶ際にはこうした衛生・安全への姿勢が確認できるかが判断材料になります。
向いている人/事前に相談が必要な人
デスクワークで目と首肩の張りが同時に気になる方、眼科で目の病気は指摘されなかったものの重だるさが続く方、姿勢や生活習慣も含めて相談しながら体を整えていきたい方などは、鍼灸を選択肢として検討する人が多い層です。あくまで「〜を目的に受ける人がいる」という水準の話で、症状の消失を約束するものではない点は押さえておきましょう。
一方、次のような方は施術の前に必ず申告し、医師や施術者に相談したうえで判断してください。全日本鍼灸学会のガイドラインでは、これらのケースで特に十分な説明と慎重な対応が求められるとされています。
- 出血しやすい方:出血性疾患がある方、抗凝血治療中や抗凝血剤を使用中の方は、出血リスクに注意が必要とされています
- 妊娠中の方:妊婦への施術の安全性には不明な点が多いとされ、強い刺激を避けるなど細心の注意が求められます。妊娠の可能性がある場合も必ず伝えてください
- ペースメーカー・除細動器など植込み型医療機器を使用中の方:誤作動のおそれがあるため、鍼通電(低周波鍼通電療法)は行ってはならないとされています
- 感染症にかかりやすい状態の方:糖尿病やステロイド服用中など易感染性の方は、病態が安定しない場合、施術の適否について医師の判断を仰ぐべきとされています
- 発熱している方・体調が大きく崩れている方:まず原因の特定と治療が優先され、施術を控えて医療機関の受診を勧めることが望ましいとされています
鍼灸より先に「眼科・脳神経外科」を優先すべきサイン
ここがいちばん大切な部分です。目の症状の裏には、緑内障や白内障などの眼疾患や、脳の病気が隠れていることがあります。次のような症状があるときは、鍼灸や整体を検討する前に、まず医療機関を受診してください。
- 急な視力の低下/短期間で見え方が明らかに悪くなった
- 視野が欠ける・一部が見えない/黒い影やカーテンがかかったように見える
- 片目だけに症状がある/片目をふさぐと見え方がはっきり違う
- 突然ものが二重に見える(複視)/まぶたが急に下がってきた
- これまで経験のない激しい頭痛/吐き気・嘔吐をともなう頭痛
- 目の激しい痛み、強い充血/光の周りに虹の輪が見える
- 視野に閃光が走る、飛蚊症が急に増えた
- 手足のしびれ・ろれつが回らない・顔の片側の動きにくさをともなう
日本眼科学会も、眼精疲労ではまず原因を特定し、それを取り除くこと(合わない眼鏡の作り直し、眼疾患の治療など)が基本になると説明しています。眼科での確認を経ていない段階で施術に通い続けると、必要な受診の機会を逃してしまうおそれがあります。とくに上記のような急な変化やこれまでにない強い症状があるときは、眼科・脳神経外科など医療機関の受診を最優先にしてください。
作業環境の見直しも並行して
施術に通うかどうかにかかわらず、目を使う環境そのものの見直しは欠かせません。厚生労働省の情報機器作業(VDT作業)に関するガイドラインでは、一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10〜15分の作業休止時間を設け、一連続作業時間内にも1〜2回程度の小休止を設けるという考え方が示されています(出典:厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」)。休憩の取り方を整えることは、施術に通う・通わないにかかわらず取り組める土台です。
よくある質問(FAQ)
- 鍼は痛いですか?注射のような痛みですか?
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刺入の瞬間に「チクッ」と感じたり、重だるい響きを感じたりすることがありますが、感じ方には大きな個人差があります。用いられるのは日本産業規格のある単回使用毫鍼で、注射針とは構造も目的も異なります。痛みが不安な場合は、刺さないタイプの鍼で対応できるかを事前に相談してみてください。
- 目に直接鍼を刺すのですか?衛生面が心配です。
-
眼球に鍼を刺すことはありません。使われるのは眼窩の縁のまわりや、首肩・手足のツボなどです。衛生面については、全日本鍼灸学会のガイドラインで滅菌済みの単回使用鍼(使い捨て)の使用が推奨されており、鍼管や鍼皿も使い捨てが推奨されています。予約時や施術前に、使い捨て鍼かどうかを確認して構いません。
- 眼精疲労でも健康保険は使えますか?
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使えるとは限りません。はり・きゅうの療養費は、神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頚椎捻挫後遺症などの対象疾病であり、かつ医師の同意がある場合に限られます。継続する場合は6ヵ月ごとに文書による同意が必要とされ、同一疾病で医療機関の診療を受けながらの施術は対象外です。多くのケースは自費と考え、料金を事前に確認しましょう。
- 何回くらい通えばよいですか?
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一律の正解はありません。体の状態や目的、生活スケジュールによって考え方が変わるため、施術者と相談しながら決めるのが基本です。体の反応には個人差があるので、まずは1回受けたあとの変化をメモしておき、続けるかどうかを自分で判断できる状態にしておくことをおすすめします。回数を一方的に決められる、長期の契約を急かされるといった場合は慎重に検討しましょう。
- 薬を飲んでいる・妊娠中でも受けられますか?
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まず必ず申告してください。出血性疾患のある方や抗凝血剤を使用中の方は出血リスクへの注意が必要とされ、妊娠中の方については施術の安全性に不明な点が多く、細心の注意が求められるとされています。ペースメーカーなど植込み型医療機器を使用中の方には鍼通電を行ってはならないとされています。持病がある方は、事前にかかりつけ医にも相談したうえで判断しましょう。
まとめ


眼精疲労で鍼灸を検討するとき、まず知っておきたいのははり師・きゅう師が法律にもとづく国家資格であり、免許を受けた人だけが業として施術できるという制度上の位置づけです。施術は目のまわりだけでなく、首肩や手足のツボを組み合わせて全身から組み立てられることが多く、使われる鍼は規格のある単回使用鍼で、学会ガイドラインでも使い捨てが推奨されています。一方で、健康保険(療養費)が使えるのは医師の同意がある特定の疾病に限られ、眼精疲労という理由だけで保険が適用されるとは限りません。
内出血やだるさといった副作用が起こりうること、出血しやすい方・妊娠中の方・ペースメーカーを使用中の方などは事前の相談が欠かせないことも、あらかじめ理解しておきたいポイントです。そして何より、急な視力低下・視野の欠け・片目だけの症状・激しい頭痛や吐き気をともなう頭痛などがあるときは、施術を検討する前に眼科や脳神経外科の受診を優先してください。体の反応には個人差があります。制度・内容・リスクを正しく知ったうえで、自分に合った向き合い方を選んでいきましょう。
参考文献・出典
- 厚生労働省「はり師国家試験の施行」
- e-Gov法令検索「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)」
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「はり・きゅう等のかかり方」
- 厚生労働省「はり、きゅう及びあん摩マッサージ指圧の同意書の取扱い(保険医療機関及び保険医の皆様へ)」
- 公益社団法人 全日本鍼灸学会 臨床情報部 安全性委員会「鍼灸安全対策ガイドライン2025年版(改訂第2版)」
- 公益財団法人 日本眼科学会「眼精疲労(目の疲れ)」
- 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインと解説」(PDF)
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