「チャイルドシートって、結局何歳まで着けなきゃいけないの?」「もうすぐ6歳になるけど、外すタイミングが分からない」——赤ちゃんが生まれてから小学校に上がるくらいまで、多くの保護者が一度は感じる疑問です。道路交通法にはチャイルドシートの使用について明確なルールが定められている一方で、周囲の話やSNSでは「もう外して大丈夫」「うちは義務ギリギリまで使ってる」など情報がまちまちで、何が正しいのか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。本記事では、チャイルドシートの使用義務に関する法律の基本と、事故から子どもを守るために欠かせない正しい取り付けのポイントを、警察庁・JAF(日本自動車連盟)・国土交通省など公的機関の情報をもとに編集部が整理しました。
- 法律上の義務は「6歳未満」:道路交通法第71条の3第3項により、運転者は6歳未満の幼児を乗車させるときチャイルドシート(幼児用補助装置)を使用しないで運転してはならないと定められています
- 義務が免除される例外もある:疾病のため療養上使用が適当でない場合など、政令で定めるやむを得ない理由があるときは対象外とされています。判断に迷う場合は自己判断せず専門機関に相談を
- 6歳を超えても油断は禁物:体格によりシートベルトが体に合わず適切に機能しない場合は、6歳以上でも補助装置(ジュニアシートなど)の利用が推奨されています
- 取り付け不良が多いという調査結果がある:警察庁とJAFの合同調査では、正しく取り付けられていた割合は7割台にとどまり、腰ベルトの締め付け不足などの誤使用が目立ちます
- 使用の有無・取り付けの正しさが命を左右する:チャイルドシート不使用時の致死率は、適正使用時の約5.3倍というデータが公表されています
チャイルドシートは何歳まで義務?道路交通法と罰則の基本


対象は「6歳未満の幼児」を乗車させるとき
チャイルドシートの使用義務は、道路交通法第71条の3第3項に定められています。条文では次のように規定されています(原文)。
「自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であつて、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。」
ここでいう「幼児」は、道路交通法上6歳未満の子どもを指します。つまり、運転者は6歳未満の幼児を車に乗せて運転するときは、原則としてチャイルドシートを使用させなければならないとされています(出典:警察庁「子供を守るチャイルドシート」)。
義務が免除される例外的なケース
条文のただし書きにあるとおり、疾病のためチャイルドシートの使用が療養上適当でない場合や、その他政令で定めるやむを得ない理由がある場合には、使用義務の対象外とされています。ただし、どのようなケースが「やむを得ない理由」にあたるかは個別の事情によって判断が分かれる可能性があるため、該当するかどうか迷う場合は、自己判断せずに警察や自治体の窓口、かかりつけの医師など専門機関に確認することをおすすめします。
6歳を超えたら安心、というわけではない
法律上の使用義務は6歳未満が対象ですが、警察庁は「6歳以上の子供であっても、体格等の事情により、シートベルトを適切に着用させることができない場合は、チャイルドシートを使用しましょう」と案内しています。子どもの体格は成長のスピードに個人差があり、6歳になった時点でシートベルトが体に合うとは限りません。座席のシートベルトが首や顔にかかってしまう、腰ベルトが正しい位置に収まらないといった場合は、6歳を過ぎてもジュニアシートなどの補助装置を使うことが推奨されています。
| 区分 | 対象の目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 乳児用 | 体重10kg以下・身長70cm以下 | 後ろ向き設置が基本で、新生児から使用できるタイプが中心 |
| 幼児用 | 体重9〜18kg・身長65〜100cm | 前向き・後ろ向きの両方に対応する製品もある |
| 学童用(ジュニアシート) | 身長150cm以下・4〜12歳ごろが目安 | 大人用シートベルトを子どもの体格に合わせて正しく使うための補助装置 |
※対象の目安は製品・基準によって幅があります。実際の適合は必ずお使いのチャイルドシートの取扱説明書でご確認ください(参照:国土交通省「チャイルドシートアセスメント」)。
取り付け方式の違いを比較|ISOFIX方式とシートベルト固定方式


チャイルドシートの固定方法には、大きく分けて「ISOFIX(アイソフィックス)方式」と「シートベルト固定方式」の2種類があります。どちらも保安基準に適合した製品であれば安全性は確保されていますが、取り付けの手順や向いている使い方には違いがあります。
①ISOFIX方式の特徴
ISOFIX方式は、車両にあらかじめ備え付けられた専用のアンカー(金具)に、チャイルドシートのコネクタを直接連結する方式です。JAFの解説では、「カチッと音がするまでコネクタ部分を押し込み、取り付けを確認しましょう」とされており、片方だけの接続では固定が不十分になる点に注意が必要です。シートベルトを使うタイプに比べて、取り付け手順が分かりやすく、誤った通し方によるミスが起こりにくいとされています。ただし、車両側がISOFIXに対応している必要があります。
②シートベルト固定方式の特徴
シートベルト固定方式は、車に備え付けられているシートベルトをチャイルドシートの所定のベルトルートに通して固定する方式です。ISOFIX非対応の車両でも使用できる汎用性の高さがメリットですが、「土台部分と背もたれ部分の両方をベルト通し位置に確実に引っ掛け、体重を乗せるようにしてしっかりと座席に固定する」といった手順を正しく踏む必要があり、ベルトの通し方や締め方を誤ると固定が不安定になりやすい点が注意点です(出典:JAF「チャイルドシートの正しい取り付け方」)。
③後ろ向き(リアフェイシング)と前向きの考え方
新生児・乳児期は、進行方向とは逆向き(後ろ向き)に設置するのが基本です。国際的な安全基準「R129」では、前面衝突時に赤ちゃんが背もたれ全体で衝撃を受け止められることから、前向きよりも後ろ向きの方が体への負担が軽減されるとされています。従来の基準(R44)では体重9kg未満が後ろ向き使用の目安でしたが、R129では身長76cm以上になるまで、月齢15か月を超えるまでは前向きタイプの使用を推奨しないなど、より長期間の後ろ向き利用を前提とした考え方に変わってきています(参照:JAF「新生児・乳児のチャイルドシート」)。お使いの製品がどちらの基準に基づいているかは、取扱説明書やカタログで確認しましょう。
| 項目 | ISOFIX方式 | シートベルト固定方式 |
|---|---|---|
| 固定の仕組み | 車両専用のアンカーに直接コネクタを連結 | 既存のシートベルトをベルトルートに通して固定 |
| 対応車種 | ISOFIX対応車に限られる | 多くの車種で使用しやすい |
| 取り付け手順の分かりやすさ | 「カチッと音がするまで」など確認手順が明確 | ベルトの通し方・締め方の正しい理解が必要 |
| 向いているケース | ISOFIX対応車を主に使う家庭 | 複数の車を使い回す・レンタカー利用が多い家庭 |
※どちらの方式も、保安基準に適合した正規品を正しい手順で取り付けることが前提です。方式の優劣を一概に比較するものではありません。
取り付け後に確認したい5つのポイント


警察庁とJAFが実施した2025年の調査では、取り付けられていたチャイルドシートのうち、適切に取り付けられていた割合は74.8%にとどまり、幼児を適切に着座させられていた割合は55.6%だったと報告されています。さらに詳細な調査では、乳児用・幼児用のいずれも「腰ベルトの締め付け不足」が最も多い誤使用として挙げられています(乳児用52.2%、幼児用47.4%)。せっかく使用義務を守っていても、取り付けが不十分では本来の効果が発揮できません。次の5点を、取り付け後・使用のたびに確認する習慣をつけましょう。
①後部座席の正しい位置に取り付けられているか
チャイルドシートは後部座席への取り付けが基本です。助手席への設置は、衝突時にエアバッグが作動するとチャイルドシートや子どもを強く押しつける危険があるため避けましょう。後部座席の中でも、乗せ降ろしのしやすさから歩道側(左側)が推奨されることが多いですが、車の構造や駐車環境によって最適な位置は変わるため、取扱説明書の指示にも従ってください。
②コネクタ・ベルトがしっかり固定され、ぐらつきがないか
ISOFIX方式ならコネクタの両側が「カチッ」と音を立てて固定されているか、シートベルト固定方式ならベルトが緩みなく通っているかを確認します。取り付け後にチャイルドシートの座面や背もたれを左右・前後に強く押し、大きくぐらつかないかをチェックしましょう。
③腰ベルトの締め付けは十分か
調査でもっとも多い誤使用が「腰ベルトの締め付け不足」でした。ベルトがゆるんでいると、事故の衝撃でチャイルドシート本体が座席から浮き上がったり、大きくずれたりする恐れがあります。体重を乗せてしっかり押し込みながら固定し、緩みがないかを毎回確認する習慣をつけましょう。
④ハーネス(子どもを固定するベルト)の高さ・締め具合は適切か
子どもの体を固定するハーネスは、肩の位置に合った高さに調整されているか、指1〜2本が入る程度の適度な締め具合になっているかを確認します。厚手の上着を着たままだとベルトがゆるみやすくなるため、車内では上着を脱がせるなどの工夫も有効です。
⑤車種適合と取扱説明書の確認
すべてのチャイルドシートが、すべての車種に問題なく取り付けられるとは限りません。購入前・使用前には、お使いの車種への適合可否や、対象の体重・身長の範囲を取扱説明書やメーカーの公式情報で確認しましょう。少しでも取り付け方法に不安がある場合は、販売店や自動車ディーラー、JAFなどが実施している取り付け相談・点検の機会を活用することをおすすめします。
利用にあたって知っておきたい注意点
法令の解釈で迷ったら専門機関に相談を
本記事で紹介した内容は、記事作成時点で公開されている警察庁・国土交通省・JAFの情報をもとに整理したものです。法令の適用や例外の該当有無は個別の状況によって判断が分かれる可能性があるため、断定的な解釈は避けています。具体的なケースについて不安がある場合は、最寄りの警察署の交通課や自治体の窓口など、専門の機関に直接確認することをおすすめします。
中古品・譲り受け品を使うときの注意
兄弟姉妹や知人からチャイルドシートを譲り受ける場合は、事故歴の有無、製造からの経過年数、使用期限、リコール情報の対象になっていないかを必ず確認しましょう。事故の衝撃を受けたチャイルドシートは、外見に異常がなくても内部の強度が損なわれている可能性があるため、事故歴が分からない製品の使用は避けるのが無難です。
取り付けに不安があるときは点検・相談サービスも活用を
正しく取り付けられているか自分で判断がつかない場合は、無理に自己判断せず、購入した販売店やディーラー、JAFなどが実施しているチャイルドシートの取り付け相談・点検の機会を利用しましょう。少しの調整で固定の安定性が大きく変わることもあります。
よくある質問(FAQ)
- チャイルドシートは何歳まで義務ですか?
-
道路交通法第71条の3第3項により、運転者が6歳未満の幼児を乗車させて運転するときは、原則としてチャイルドシート(幼児用補助装置)の使用が義務付けられています。ただし、疾病のため使用が療養上適当でない場合など、政令で定めるやむを得ない理由があるときは対象外とされています。
- 6歳の誕生日を迎えたら、すぐに外してよいですか?
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法律上の使用義務は6歳未満が対象のため、6歳を過ぎれば義務そのものはなくなります。ただし、体格によりシートベルトが体に合わず適切に機能しない場合は、6歳以上でもジュニアシートなどの補助装置の利用が推奨されています。お子さまの体格に合わせて判断しましょう。
- 助手席にチャイルドシートを取り付けてもよいですか?
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後部座席への取り付けが基本です。助手席は、衝突時にエアバッグが作動するとチャイルドシートや子どもを強く押しつける危険があるため、原則として避けるべきとされています。やむを得ず助手席に設置する場合は、車両の取扱説明書の注意事項を必ず確認してください。
- ISOFIX方式とシートベルト固定方式、どちらが安全ですか?
-
どちらの方式も、保安基準に適合した製品を正しい手順で取り付けていれば安全性は確保されています。一概にどちらが優れているとは言えず、車両がISOFIXに対応しているか、複数の車で使い回す機会があるかなど、ご家庭の使い方に合わせて選ぶのがポイントです。
- 取り付けに自信が持てません。どこに相談すればよいですか?
-
購入した販売店やカー用品店、自動車ディーラー、JAFなどが取り付けの相談・点検に対応していることがあります。自己判断のまま使用を続けるよりも、こうした窓口で一度確認してもらうと安心です。
まとめ


チャイルドシートの使用は、道路交通法第71条の3第3項により6歳未満の幼児を乗車させる運転者の義務とされています。ただし、療養上の理由など政令で定める例外もあり、判断に迷う場合は専門機関への相談が安心です。また、6歳を超えても体格によっては補助装置の利用が推奨されており、「義務があるかどうか」だけでなく「正しく取り付けられているか」が子どもの安全を大きく左右します。警察庁とJAFの調査では、取り付け不良や腰ベルトの締め付け不足が依然として多く報告されており、ISOFIX方式・シートベルト固定方式のいずれを選ぶ場合も、取扱説明書に沿った正しい手順と定期的な確認が欠かせません。
今日からの3ステップ
6歳未満は使用義務があること、6歳以上でも体格次第で推奨されることをまず理解しておきましょう。
ISOFIX方式かシートベルト固定方式かを車種や使い方に合わせて選び、取扱説明書の手順に沿って正しく取り付けます。
腰ベルトの締め付けやハーネスの高さを毎回チェックし、不安があれば販売店やJAFの点検・相談を活用しましょう。
参考文献・出典
- 警察庁「子供を守るチャイルドシート」
- JAF(日本自動車連盟)「チャイルドシート取り付け状況調査結果(2025)」
- JAF「チャイルドシートの正しい取り付け方」
- JAF「新生児・乳児のチャイルドシート」
- 国土交通省「チャイルドシートアセスメント」
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運営:一般社団法人中小企業集客支援機構 | 最終更新:2026年8月


