ホームページに問い合わせがない原因は?リニューアル前に見る5つの数字

ホームページに問い合わせがない原因は?リニューアル前に見る5つの数字

「ホームページはあるのに、問い合わせが月0件。もう何年もフォームが鳴らない」——中小企業の経営者から、当機構に最も多く寄せられる相談のひとつです。そして多くの方が、その解決策として真っ先に「サイトのリニューアル」を検討します。制作会社に見積もりを取ると50万〜200万円。決して安くない投資です。

しかし、結論から言えばリニューアルの前に確認すべき「5つの数字」があり、その数字を見ずに作り直すと、高い費用をかけても問い合わせゼロのまま、という結果になりやすいのです。この記事では、無料ツールで確認できる5つの指標(セッション数・流入経路・直帰率・滞在時間・CVR)の見方と目安、数字別の処方箋、そして「リニューアルが正解なケース・不要なケース」の見分け方まで、順を追って解説します。

この記事でわかること
  • 問い合わせが来ない原因を「デザインのせい」と決めつけてはいけない理由
  • リニューアル前に確認すべき5つの数字と、それぞれの目安・確認場所
  • どの数字から順に見るべきかの診断フロー(5ステップ)
  • 数字のパターン別の処方箋(流入不足型/取りこぼし型)
  • 月0件から月3件を目指す数値シミュレーションの立て方
  • リニューアルが正解なケース・不要なケースの判断基準と、費用をかけずに直せる箇所
目次

なぜ「問い合わせがない=デザインが古い」と決めつけてはいけないのか?

ホームページから問い合わせがない状態は、大きく分けると「そもそも見られていない(流入不足型)」「見られているのに行動につながっていない(取りこぼし型)」の2種類に分かれます。この2つは原因がまったく異なるため、処方箋も正反対になります。

たとえば月間セッション(訪問)が30しかないサイトで、デザインだけを刷新しても問い合わせは増えません。仮に問い合わせ率(CVR)が平均的な1%だったとしても、30訪問では期待値は月0.3件。つまり「月0件」はデザインの問題ではなく、単純に母数が足りていない可能性が高いのです。逆に、月間1,000セッションあるのに問い合わせゼロなら、今度は受け皿(ページ内容・導線・フォーム)に問題がある可能性が高く、これは全面リニューアルではなく部分改修で直せることが少なくありません。

当機構には「リニューアルしたのに問い合わせが増えない」という相談も多く寄せられます。話を聞くと、リニューアル前にアクセス数すら確認していなかったケースが大半です。数字を見ずに作り直すのは、健康診断を受けずに手術を決めるようなもの。まず5つの数字を確認しましょう。

リニューアル前に確認すべき5つの数字とは?どこで見られる?

確認すべき数字は次の5つです。いずれも無料ツール(GA4・Googleサーチコンソール)で確認でき、追加費用は一切かかりません。まずは直近3か月分を見てください。1か月だけだと一時的な変動に引きずられるためです。

数字何がわかるか確認場所月0件サイトでよくある状態(例)
①セッション数そもそも見られているか(母数)GA4「レポート>集客」月100未満
②流入経路どこから来ているか(検索/SNS/直接など)GA4「トラフィック獲得」社名検索と直接流入がほぼ全て
③直帰率最初の1ページで帰られていないかGA4(エンゲージメント率から逆算)直帰率80%超(エンゲージメント率20%未満)
④滞在時間内容が読まれているかGA4「平均エンゲージメント時間」30秒未満
⑤CVR訪問のうち何%が問い合わせたか問い合わせ数÷セッション数0%(計測自体していない)

なお、現行のGA4には「直帰率」という名前の指標が標準画面に出てこないため、「エンゲージメント率」(10秒以上の滞在・複数ページ閲覧・CVのいずれかが発生した訪問の割合)を見て、その裏返しを直帰率とみなすのが実務的です。エンゲージメント率40%なら、実質的な直帰率は約60%と考えられます。

GA4を入れていない場合

アクセス解析を導入していない場合、まずGA4とサーチコンソールの設置が最優先です。どちらも無料で、WordPressならプラグイン経由で30分程度で設置できます。数字が貯まるまで最低1か月は必要なので、「リニューアルを検討し始めた日」がまさに設置すべき日です。

どの順番で見る?問い合わせゼロの診断フロー5ステップ

5つの数字は、「入口に近い数字から順に」見るのが鉄則です。上流(流入)に問題があるのに下流(フォーム)を直しても効果が出ないためです。次のフローで、自社がどこでつまずいているかを特定してください。

セッション数を見る——月300未満なら「流入不足型」

直近3か月の月平均セッションを確認します。BtoBの小規模サイトでも、問い合わせを安定して生むには一定の母数が必要です。月300を大きく下回るなら、この時点で主因は「流入不足」。以降のステップよりも先に、集客施策(後述の処方箋①)に取り組みます。

流入経路の内訳を見る——「社名検索だけ」は危険信号

GA4のトラフィック獲得レポートで、Organic Search(自然検索)・Direct(直接)・Referral(他サイト)・SNSの比率を確認します。流入の大半が社名検索と直接流入なら、新規見込み客には実質届いていません。既存の知り合いが見に来ているだけの「名刺サイト」状態です。

直帰率(エンゲージメント率)を見る——第一印象の問題か

流入がそれなりにあるのに直帰率が80%を超えているなら、最初のページで「自分に関係あるサイトだ」と思われていない可能性があります。特に、検索で入ってきたページ(ランディングページ)が求めている情報とズレていないかを確認します。

滞在時間を見る——内容が読まれているか

平均エンゲージメント時間が30秒を切っている場合、ページを開いてもほとんど読まれていない状態です。文章量に対して極端に短いなら、冒頭で離脱されている=結論が先に書かれていない、スマホで読みにくい、といった原因が疑われます。

CVRを計算する——読まれているのに動かれていないか

問い合わせ数÷セッション数でCVRを出します。流入も滞在もあるのにCVRがほぼ0%なら、問題は導線とフォームです。問い合わせボタンが見つからない、フォームの入力項目が多すぎる、問い合わせの心理的ハードルが高い、のいずれかであることが多いです。

目安として、各指標の「黄信号ライン」を並べておきます。あくまで一般的な傾向値であり、業種や商材単価によって変わる点はご留意ください。

月300未満
セッション数の黄信号

80%超
直帰率の黄信号

30秒未満
滞在時間の黄信号

0.5%未満
CVRの黄信号

処方箋①:セッション数・流入経路に問題がある「流入不足型」の直し方

診断フローのステップ1〜2でつまずいた場合、やるべきことはデザイン刷新ではなく「見つけてもらう施策」です。優先度の高い順に見ていきます。

サービス名ではなく「悩みのキーワード」でページを作る

流入不足サイトの典型は、「会社概要・サービス・実績・お問い合わせ」の4〜5ページで完結していることです。この構成では、社名を知らない人が検索でたどり着く入口が存在しません。見込み客が実際に検索するのは「◯◯(地域名) 外壁塗装 相場」「勤怠管理 エクセル 限界」といった悩みや比較のキーワードです。こうした検索意図に答えるページ(コラム・事例・料金解説)を1本ずつ増やすことが、費用対効果の高い流入源になります。

検索以外の入口も併用する

  • Googleビジネスプロフィール:店舗・地域商圏型の事業なら最優先。無料で登録でき、地図検索からの流入が見込めます。
  • SNS・業界メディアからの導線:X・Instagram・業界団体のリンク集など、検索エンジン以外の参照元を増やすと、流入経路の偏りが緩和されます。
  • 少額のリスティング広告:SEOは効果が出るまで数か月かかる傾向があるため、月1〜3万円程度の検索広告で「そのキーワードで来た人が問い合わせるか」を先に検証する方法もあります。
ポイント:流入不足型でリニューアルしても数字は動きにくい

流入不足型のサイトを100万円かけてリニューアルしても、検索の入口が増えなければセッション数はほぼ変わりません。同じ予算をかけるなら、デザイン刷新よりも「検索意図に答えるページを10本作る」ほうが問い合わせにつながりやすい、というのが当機構の実感です。

処方箋②:流入はあるのに問い合わせがない「取りこぼし型」の直し方

セッションはあるのに直帰率・滞在時間・CVRが悪い場合は、受け皿の問題です。ここは全面リニューアルではなく、ピンポイントの部分改修で改善し得る領域です。

直帰率が高い場合:ファーストビューの3秒を直す

訪問者はページを開いて数秒で「読み続けるか、戻るか」を判断すると言われます。ファーストビュー(開いた瞬間に見える範囲)に、①誰向けのサービスか、②何が得られるか、③次に何をすればいいか(ボタン)の3点が入っているかを確認してください。「豊かな未来を創造する」といった抽象的なキャッチコピーだけで、事業内容が読み取れないトップページは直帰の典型例です。また、スマホでの表示崩れ・読み込みの遅さも直帰の大きな要因です。必ず自分のスマホでも表示を確認しましょう。

滞在時間が短い場合:結論を先に、文章はスマホ前提に

読まれないページの多くは、会社側の言いたいこと(沿革・理念・こだわり)が先に来て、訪問者の知りたいこと(料金・納期・事例・対応範囲)が後ろに埋まっています。各ページの冒頭に結論と要点を置き、見出し・箇条書き・表で流し読みできる構造に変えるだけでも、読了率は変わり得ます。

CVRが低い場合:導線とフォームの摩擦を減らす

読まれているのに問い合わせが発生しない場合、チェックすべきは次の3点です。①問い合わせボタンが全ページの目立つ位置(ヘッダー・記事末尾・スマホの追従ボタン)にあるか。②フォームの入力項目が多すぎないか——項目が増えるほど途中離脱は増える傾向があり、最初の接点なら「会社名・氏名・連絡先・相談内容」程度で十分です。③問い合わせのハードルを下げる文言があるか。「お問い合わせ」よりも「無料相談」「資料請求」「概算見積もり」のほうが、検討初期の見込み客には行動しやすい選択肢になります。

注意:フォームの送信テストを最初に行う

意外に多いのが「フォーム自体が壊れていた」「通知メールが迷惑メールに入っていた」というケースです。改善策を考える前に、まず自分でテスト送信し、メールが届くかを確認してください。これだけで解決した相談例も実際にあります。

数値シミュレーション:月0件から月3件にするには何をどれだけ動かすか?

問い合わせ数は、かけ算で決まります。この式に自社の数字を入れると、「どこを何倍にすれば目標に届くか」が逆算できます。

問い合わせ数の計算式

月間問い合わせ数 = 月間セッション数 × CVR(問い合わせ率)
例:月600セッション × CVR0.5% = 月3件

例として、月100セッション・問い合わせ0件のサイトが「月3件」を目指すシナリオを比較してみます。

シナリオ(例)セッションCVR期待問い合わせ数主な施策
現状1000%0件
A:流入だけ増やす6000.2%約1.2件コラム追加・GBP・広告
B:受け皿だけ直す1001.0%約1件導線・フォーム・LP改善
C:両方を並行する4000.8%約3.2件A+Bを段階的に実施

この試算からわかるのは、流入か受け皿の片方だけを頑張っても月3件には届きにくく、両方をバランスよく引き上げる必要があるということです。だからこそ、5つの数字で「どちらがボトルネックか」「どこまで改善すれば届くか」を先に把握することが、投資判断の出発点になります。

リニューアルが正解なケース・不要なケースの見分け方

ここまでの診断を踏まえると、リニューアルすべきかどうかは数字のパターンでかなり判断できます。判断基準を整理します。

状況判断理由
流入が少なく、ページ数も4〜5枚しかないリニューアルより先にページ拡充器を作り直しても入口が増えない
スマホ非対応・表示崩れ・httpsでないリニューアルが正解になりやすい基盤の欠陥は部分改修で直しにくい
自社で更新できない(更新の度に外注費)CMS化を伴うリニューアルが有力継続的なページ追加の前提が作れない
流入はあるがCVRだけが低いリニューアル不要、部分改修で対応導線・フォームの改善で足りることが多い
デザインが古い「気がする」だけ保留。まず3か月数字を計測感覚での投資は失敗しやすい
事業内容・ターゲットが当時と大きく変わったリニューアルが正解になりやすい訴求の土台自体が現状とズレている

要するに、「基盤(スマホ対応・更新性・事業とのズレ)に欠陥があるならリニューアル、数字の一部が悪いだけなら部分改修」が原則です。リニューアルする場合も、「現状セッション月◯・CVR◯%を1年後に◯と◯%にする」という数値目標を制作会社と共有することを強くおすすめします。目標数字のないリニューアルは、完成した瞬間がゴールになってしまいます。

費用をかけずに今週直せる5つの箇所

最後に、リニューアルを判断する前でも、ほぼ費用ゼロで着手できる改善箇所を挙げます。取りこぼし型のサイトなら、これだけでも数字が動き得ます。

  • フォームのテスト送信と項目削減:まず届くかを確認し、必須項目を4つ程度まで絞る。
  • 問い合わせボタンの増設:ヘッダー・各ページ末尾・スマホ追従に「無料相談はこちら」を設置する。
  • トップのキャッチコピー修正:「誰の・どんな悩みを・どう解決するか」が3秒で伝わる文言に差し替える。
  • 実績・料金目安の掲載:問い合わせ前の不安(いくらかかるのか、任せて大丈夫か)に先回りして答える。
  • GA4・サーチコンソールの設置:未導入なら最優先。以後のすべての判断の土台になる。

これらは1つずつなら数時間で対応できるものばかりです。改善の前後で5つの数字を記録しておけば、「何をしたら何が動いたか」が自社のデータとして蓄積され、次の投資判断の精度も上がっていきます。

よくある質問(FAQ)

ホームページから問い合わせがない一番多い原因は何ですか?

当機構に寄せられる相談で最も多いのは、そもそもアクセス(セッション)が足りていない「流入不足型」です。月間セッションが100前後では、一般的なCVR(0.5〜1%程度と言われます)を掛けても期待値は月1件未満になります。まずGA4でセッション数を確認し、母数の問題か受け皿の問題かを切り分けることが第一歩です。

アクセス解析を入れていない場合、何から始めればいいですか?

GA4とGoogleサーチコンソールの設置が最優先です。どちらも無料で、設置自体は30分〜1時間程度で完了します。数字が貯まるまで1〜3か月かかるため、リニューアルの検討はその後でも遅くありません。計測なしで作り直すと、効果が出たかどうかの判断すらできなくなります。

CVR(問い合わせ率)の目安はどのくらいですか?

業種や商材単価によって幅がありますが、一般的な企業サイトでは0.5〜1%程度が一つの目安と言われます。1%を超えていれば受け皿は比較的機能しており、0.1%を下回るようなら導線・フォーム・訴求内容のいずれかに課題がある可能性が高いと考えられます。自社の過去データとの比較が最も信頼できる基準になります。

リニューアルにはいくらぐらいかかりますか?部分改修との違いは?

規模や依頼先によりますが、小規模企業サイトの全面リニューアルは50万〜200万円程度の見積もりになることが多い一方、フォーム改善やトップページの文言修正といった部分改修は数万円〜数十万円で収まるケースが一般的です。課題が一部に特定できるなら、部分改修から始めるほうが投資リスクを抑えられます。

改善の効果はどのくらいで判断すればいいですか?

フォームや導線の改修は1〜2か月、SEO(ページ追加)による流入増は3〜6か月を目安に前後の数字を比較するのが現実的です。月単位で「セッション×CVR」の両方を記録し、改善前の3か月平均と比べることをおすすめします。

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まとめ:作り直す前に、5つの数字で「どこが悪いか」を特定する

ホームページから問い合わせがないとき、原因は「デザインの古さ」よりも先に、①セッション数、②流入経路、③直帰率、④滞在時間、⑤CVRの5つの数字に表れています。流入不足型ならページ拡充と集客施策、取りこぼし型なら導線・フォームの部分改修——数字で原因を特定してから対策を選べば、限られた予算を最も効く場所に集中できます。リニューアルはそれ自体が目的ではなく、数字の目標を達成する手段の一つです。まずは今日、GA4を開いて(なければ設置して)、自社の5つの数字を書き出すところから始めてみてください。

「数字の見方がわからない」「自社が流入不足型か取りこぼし型か診断してほしい」という方は、当機構の無料相談をご利用ください。現状の数字を一緒に確認し、費用をかけすぎない改善の順番をご提案します。

この記事の運営・監修

一般社団法人 中小企業集客支援機構(本部:大阪市都島区)

「埋もれた価値を、社会の力へ」を理念に、中小企業・スタートアップのマーケティングを支援する非営利団体です。広告運用(Google/Meta/LINE)、SEO・コンテンツマーケティング、クラウドファンディング支援、EC・D2C支援を主な領域とし、全国の事業者の集客を伴走支援しています。

本記事は、当機構に寄せられる相談事例と支援現場での知見をもとに構成しています。制度・各社サービスの仕様は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトをご確認ください。

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この記事を書いた人

■監修・運営
一般社団法人 中小企業集客支援機構

■主な領域
・広告運用(Meta / Google / LINE)
・SEO / コンテンツマーケティング
・クラウドファンディング支援
・EC / D2C支援

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